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尼崎双星高校編 2022年度⑤商品開発班/柏木鉄工様の金属加工技術で「みかん皮むき器」を製作


尼崎双星高校での後期課題研究の授業で、生徒と企業が共同で商品開発を行いました。地元企業の技術と材料を活かすというテーマのもと、高校生たちは「実在する企業の新商品を本気で考える」、企業は「アイデアをもとに試作品を作る」というところまで取り組みました。金属加工を主力とする柏木鉄工様との新商品開発は、どのように進んだのでしょうか。


鉄やステンレスなどの金属加工が主力の「柏木鉄工」

材料の切り出しから製造、納品まで一貫した作業が可能

有限会社柏木鉄工様は尼崎にある、工場の設備などの製缶加工を中心とする金属加工技術に優れたものづくりの会社です。
鉄やステンレス、アルミなどの金属を扱っており、切断、穴あけ、曲げ、溶接、組み立て、仕上げ、検査など、材料の切り出しから製造、納品までを一貫してできます。
また、機械を積極的に導入し作業方法を工夫することで、職人の習熟度や年齢を問わない安定した品質を実現。スピードやコストにもこだわったものづくりを可能にしています。

有限会社柏木鉄工


自社製品の開発に乗り出す


同社と当社とのご縁は、Webサイト制作のご依頼がきっかけです。
同社は工場の設備など、企業からの注文を受けたものの製造を主に行っていましたが、近年は金属加工技術や材料を活用した自社製品の開発にも乗り出しています。
当社にインターンシップに来ている大学生との商品開発に興味を示してくださり、高校の授業に先んじて大学生インターンとの商品開発を開始。第一弾としてスマホスタンド兼スピーカーを試作してくださいました。
2022年9月からは尼崎市立尼崎双星高等学校(以下、尼崎双星高校)の授業に参加し、「地元企業の技術と材料を活かした新商品開発プロジェクト」にご協力いただくことになりました。




加工技術と材料を活かした商品開発


授業の流れ

「後期課題研究」の授業における高校生と柏木鉄工様との商品開発は、2022年9月から2023年1月まで以下のような流れで進めました。
【事前準備】
・企業研究:企業の担当者による出張授業を通し、事業や技術、商品について知識を得る
【商品開発】
・商品を考え、アイデアスケッチを描いて企業の担当者へプレゼンテーションを行う
・鉄を使った「みかん皮むき器」を企業に試作してもらい、ユーザー視点で問題点を洗い出す
・金属加工体験:鉄パイプでできたスマホスピーカーを磨いてピカピカにする
・企業見学をして、加工技術や設備、材料などについての理解を深める
【事後】
・活動内容をスライドの資料にまとめ、2022年11月の校内および2023年2月の関西国際大学での報告会で発表する
※9月~10月はロボメイツ班に協力し、小学校でのロボット体験授業にも参加




普段の生活の中に新商品のヒントが


9月7日の初回授業では、当社の畠中が商品開発プロジェクトの説明を行い、柏木鉄工様についても紹介。10月3日の授業には、柏木鉄工の柏木社長をはじめ社員の方がご来校し、事業や加工技術、製品などについてお話をしてくださいました。
同社の商品開発を担当する生徒5人は、加工後の端材が年間80トンも出ると聞き「この金属で何ができるんだろう?」とそれぞれ考え、アイデアスケッチを企業の方に見せました。
同社の方は考えがうまくまとまらず悩む生徒に「しょうもない商品でもいいんやで」と声をかけてくださったそうです。




ロボメイツ班も協力して出した約20の案から選ばれたのは、「みかん皮むき器」。
商品開発班のメンバーの一人はみかん好き。でも、食べると爪の間に皮やスジが挟まったり、指が黄色く汚れてしまったりします。友達に聞くと、本当は食べたいけれど手が汚れるし、むいた皮のごみが出るのが嫌なので食べないようにしているといいます。「手を汚さずにみかんの皮をむくことができたらいいな」。こんな普段の生活の中に商品開発のヒントがありました。




形を変えていった「みかん皮むき器」


テーマが決まると、企業の方は何度も学校を訪れては生徒の相談に乗り、何種類もの試作をしてくださいました。
初めは一回の操作で一気に皮がむけるように設計したものの、みかんの個体差により難航。皮に切り込みを入れるカッターと皮と実をはがすヘラを付けた棒状の器具を試作してもらい、使ってみると思っていたよりすぐに皮がむけたそうです。
ところが今度は、ヘラがみかんの実を傷つけてしまう、という問題が発生。ヘラが要るかどうかも含め機能や形状を検討した結果、「台にみかんを置いてハンドルを回し、カッターで皮に切り込みを入れる」という新しいデザインへ変更になりました。その後も、みかんが一緒に回る問題点や刃の安全性など、ブラッシュアップが続きました。








企業見学


機械や技術、商品に驚き、スマホスタンド製作体験も

12月には、生徒が企業見学で柏木鉄工様を訪れました。
5人は機械設備や同社のオリジナル製品などを見学。キャンプで使う焚火台や貯金箱、知恵の輪、そして鉄の名刺などユニークな商品に驚いた様子でした。
また、スマホスタンド作りにも挑戦しました。初めに自分たちで好きなデザインを考え紙に描き出し、パソコンを使いペイント。マウスでの描画に苦戦しながらも、それぞれオリジナルの絵を完成させました。
柏木鉄工の方がその絵をCADで仕上げてデータ化し、レーザーで鉄板に刻印。プレス機で折り曲げ、最後に磨いたら「世界に一つ」のオリジナルスマホスタンドの完成です。
生徒たちは、たくさんの機械や加工の段階に合わせて部品を取り換える様子や、スタンドを使いやすい角度に整える精密な技術に驚き、アイデアを形にするだけでなくお土産までいただいたことに感謝していました。
「大小いろんな種類の機械があって面白かったです。普段、モノづくりの作業工程は動画や写真などの画面を通してしか見ることがないため、実際に会社に行って生の現場を見て、迫力と存在感に圧倒されました!」とのこと。充実した体験だったようです。






生徒の感想


商品開発プロジェクトを通して得た学び、気付き

・自分のふとした時に思いついた商品がいろんな人に広まって、企業の方々が親身になって考えてくれた。たった一言で生まれた商品を何回も会議を重ね商品化することはめったになく、とても貴重な機会だった。
・世の中にはさまざまな商品が出ているが、商品開発は簡単なことではないと分かった。アイデアを出す、価格を設定するなど難しいことばかりだったが、自分たちの考えた商品がどんどんでき上がっていくにつれ、とても嬉しい気持ちになった。
・今回のこの新商品開発を通して商品の開発の仕方を学んだ。実際に使ってみないと気付かないことがあり、何回も試しては失敗を繰り返した。自分たちで相談し合ったり、企業の方と話したりして、商品を作るという非常に貴重な経験ができた。
・発表会用の台本を作成した。文章をまとめるのが苦手なので不安だったけれども、伝えたい内容や商品の説明など構成を考え、もう一人の担当と一緒にしっかり台本を作ることができた。


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まとめ

尼崎双星高校での「後期課題研究」の授業で、生徒と企業が共同で商品開発を実施。「地元企業の技術と材料を活かす」というテーマのもと、高校生たちは「実在する企業の新商品を本気で考える」、企業は「アイデアをもとに試作品を作る」というところまで取り組みました。柏木鉄工様との新商品開発では、普段の生活の不便を解消するアイデアから「みかん皮むき器」が誕生しました。同校の授業レポートは「⑥商品開発班/カワグチマック工業様の段ボール加工技術でキャットタワーを製作」へ続きます。

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