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尼崎双星高校編 2022年度⑥商品開発班/カワグチマック工業様の段ボール加工技術でキャットタワーを製作


尼崎双星高校での後期課題研究の授業で、生徒と企業が共同で商品開発を行いました。地元企業の技術と材料を活かすというテーマのもと、高校生たちは「実在する企業の新商品を本気で考える」、企業は「アイデアをもとに試作品を作る」というところまで取り組みました。段ボール加工を主力とするカワグチマック工業様との新商品開発は、どのように進んだのでしょうか。


段ボール加工品の製造・販売を手掛ける「カワグチマック工業」

箱だけでなく、棚やインテリア用品まで幅広い商品展開

株式会社カワグチマック工業様は尼崎にある、段ボールの加工技術に優れたものづくりの会社です。
段ボール箱に加え、椅子や机、棚、インテリア用品など幅広い商品を作れる点が大きな特徴です。ディスプレイ事業では、スウェーデン製の「リボード」や強化段ボールなど、軽くて耐久性に優れた紙素材で商品棚などの什器を製造。木製に比べ、工具を使わず簡単に組み立て・解体ができ、運搬や設営、廃棄の点でも負担が少ないため、百貨店の催事や企業の展示会などさまざまな場面で活用されています。
ほかにも、新型コロナ禍に対応したパーテーションや、オンライン面談などに使われるワークブースボックスといった多様な商品を開発し、製造・販売しています。

株式会社カワグチマック工業
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「アマポータル」 カワグチマック工業様のページ


2021年度にも高校生のアイデアをカタチに


同社には、2021年度にも高校生のアイデアを実現することにご協力いただきました。兵庫県立川西明峰高等学校の生徒が研究で「ユニークなゴミ箱を作りたい」というアイデアを出した際、当社代表の畠中が、段ボールでさまざまな商品を製造するカワグチマック工業様を紹介。お忙しい中、高校生との打ち合わせを経て作ってくださった「捨てたくなるゴミ箱」は、11月に同校へ設置されました。

川西明峰高校BLOG
『捨てたくなるゴミ箱』設置!!



加工技術と材料を活かした商品開発


授業の流れ

「後期課題研究」の授業における高校生とカワグチマック工業様との商品開発は、2022年9月から2023年1月まで以下のような流れで進めました。
【事前準備】
・企業研究:企業の担当者による出張授業を通し、事業や技術、商品について知識を得る
【商品開発】
・商品を考え、アイデアスケッチを描いて企業の担当者へプレゼンテーションを行う
・企業の担当者と相談しながら、アイデアを練り直すなど改良していく
・企業に試作してもらう
・企業見学をして、加工技術や設備、材料などについての理解を深める
【事後】
・活動内容をスライドの資料にまとめ、2022年11月の校内および2023年2月の関西国際大学での報告会で発表する
※9月~10月はロボメイツ班に協力し、小学校でのロボット体験授業にも参加




授業では段ボール素材でできた商品に触れる体験も


9月7日の初回授業では、当社の畠中が商品開発プロジェクトの説明を行い、カワグチマック工業様についても紹介。
10月31日には同社の営業担当の方が来校し、事業や商品に関してお話ししてくださいました。フルオーダーやセミオーダー、インテリア用品やワークブースボックスなど一般向けに自社開発した「オリジナル」といった商品展開について説明。当日は学校へ段ボール素材のキャットタワーをご持参いただき、生徒たちは組み立て体験をしました。




アイデアを練って発展させたインテリア用品


カワグチマック工業様の商品開発に取り組む4人の生徒は、子ども向け遊具や猫用品、作業台などのアイデアを出しました。その中から候補に挙がったのはスタンドライト。段ボールに穴を開け、そこからもれる光を楽しむインテリアグッズです。
カワグチマック工業の方は再度ご来校し生徒と話し合い、社内に持ち帰って検討してくださいました。






需要や製作にかかるコスト面、同社でペット用品が売れている実績などから、「インテリアになじむ猫じゃらし」という方向での開発になり、生徒たちはそれぞれ考案。その結果、アイデアを発展させたライト付きキャットタワーの形になりました。
段ボール製キャットタワーの真ん中部分へ水玉模様に穴を開けた商品で、組み立て式なので、使わない時はコンパクトに収納できる点もメリットです。




企業見学


段ボール製の商品や設備を見学

12月には、生徒が企業見学でカワグチマック工業様を訪れました。
段ボール資材を早くきれいに切れる機械や印刷機などの設備をはじめ、段ボール製の多様な商品も見せていただきました。
参加した生徒は「商品や環境について詳しく聞いた。紙資材である『リボード』でできた机と椅子は言われるまでリボードだと気付かなかったし、実際に座っても大丈夫だったので、少しずつでも学校で導入されたらうれしい。今回の授業を通して初めてリボードという素材を知り、たくさんの人に知ってほしいと思った」と感想を述べています。




生徒の感想


商品開発プロジェクトを通して得た学び、気付き

・自分のアイデアした商品を実際に企業が作ってくれることは、この先、一度もないかもしれない貴重な体験。
・企業研究でどんどん深掘りしていくうちに、私たちが普段生活で使っている便利な製品が、こんなふうにたくさんの人の協力の下で作られていると知り、衝撃を受けた。
・便利でインテリアにもなるだけでなく、ユーモアのある商品にしたいと思い、海外のYouTubeチャンネルなども参考にして考えた。
・アイデアを考えることが苦手で、他の人よりもあまり出せなかったが、家でもいろいろ考えたり調べたりして、苦手なりにも頑張ることができた。
・生半可な気持ちでは企業の方に失礼だし、作っていただけるのなら自分が考えたアイデアを採用してもらいたいと思った。
・実際に企業の方と会って話した時、自分たちの考えたアイデアを本職の方に見てもらう緊張と、この中のどれかが商品化するかもしれないという楽しみもあった。
・発表会の準備では台本を主に考えた。スライドに合わせて時間も考慮しながら大事なところをまとめて作ったので少し難しかった。スライドには、見やすく分かりやすい図やイラストを貼って工夫した。

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まとめ

尼崎双星高校での「後期課題研究」の授業で、生徒と企業が共同で商品開発を実施。「地元企業の技術と材料を活かす」というテーマのもと、高校生たちは「実在する企業の新商品を本気で考える」、企業は「アイデアをもとに試作品を作る」というところまで取り組みました。カワグチマック工業様との新商品開発では、インテリアにもなるペット用品という観点から「ライト付きキャットタワー」が生まれました。

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