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川西明峰高校編 2022年度②教材開発にロボット工作、企業による出張授業も


アームロボットの学習や操作体験を経た川西明峰高校の生徒たちは、小学生向けのゲームシナリオを考案。2022年10月から合流した就職予定の生徒たちへ、「リレー型体験学習」方式でロボット操作から教える体験も行いました。また、ロボットメーカーのパナソニック コネクト様による出張授業も実現しました。


アームロボットを使った操作と課題・教材の開発

面白さや驚きを感じた生徒たち

2022年5月から始まった授業では、アームロボットをプログラミングで操作する体験学習を実施。兵庫県立川西明峰高等学校(以下、川西明峰高校)の生徒たちは、面白さや驚きを感じたようです。
「プログラミングを学ぶ授業に『楽しい!』がついていた」
「ロボットの先端のパーツを変えるだけでいろいろな操作をできるのが面白く、可能性を感じた」
「実機を動かしたのは初めて。実際にロボットを自分で動かすことで可動域を知り、『つかむ』などピンポイントの命令を1つ打つのに時間がかかったので驚いた。自分の考えたシンプルな指示をロボットにさせるのに1時間かかった」
など、さまざまな感想が出ました。

関連記事:川西明峰高校編①ロボット授業導入校増加、尼崎の隣・川西市にも



小学生向けの新たなゲームシナリオ


自分たちの感じた面白さを今度は小学生向けのロボット学習に生かすべく、次に小学校の授業用の教材開発に取り組みました。
教材というのは、アームロボットを使って授業で何をするかという具体的な授業内容です。これまでは、2021年度に尼崎市立尼崎双星高校の授業をする中で大学生と考えた、「みかんまんじゅうを箱詰めする」というゲームシナリオがありました。アームロボットをプログラムによって動かし、みかんまんじゅうに見立てたピンポン玉を箱へ入れる作業です。

川西明峰高校では、生徒たちに小学生が楽しめる新たなゲームシナリオを考えてもらいました。



ブロックを動かしてハンバーガーを作る


生徒たちが考えたのは「ブロックを動かしてハンバーガーを作る」というゲームシナリオです。「スクラッチ」というソフトを使い、パズルを組み合わせる感覚でプログラミングをしてアームロボットを操作。具材に見立てたブロックを移動させて積み上げ、好きなハンバーガーの形を作っていくという課題を設定しました。

生徒たちの感想

ロボットやプログラミングについて自らも学習し、小学生に教えるための授業内容を考えた生徒たちへアンケートを実施。「高校生によるロボット授業は小学生に楽しんでもらえると思いますか?」と聞くと、「はい」という回答がほとんどで、下記のような理由が挙げられました。

・高校生でも楽しかったので、好奇心のもっとある小学生はもっと楽しめる
・学校の授業でパズルのような発想を求められることが少ないので、(ロボット授業で)補うことが大事かなと思った
・いろいろな組み合わせや可能性があるので、自分で作ったプログラムで動くと小学生は喜ぶし、達成感があると思う

ほかには「操作がとても簡単」「視覚的に分かりやすい」「ゲームが面白い」「想像を豊かにできる」といった意見もありました。


理系の生徒から就職組の生徒へのリレー型体験学習


10月からは、就職予定の生徒も授業へ合流し、先に授業を受けていた理系の生徒が就職組へ教える「リレー型体験学習」の形でアームロボットの基本操作から進めていきました。ピンポン玉やブロックをつかんで移動させたり、アームの先端にペンを持たせて字を書いたり。そのほか、理系の生徒が考えた「ブロックでハンバーガーを作る」ゲームシナリオも体験してもらいました。
理系の生徒は、「人に教えるのは難しかったけれど、いい経験になった」といいます。
「考える力が身についた」「ロボットについて全く知らない人に教えるので、ロボットを理解しないときちんと教えることができないと思った」といった感想もありました。




アームロボット教材の製作・組み立て体験


小学生向けアームロボット教材の組み立て

ロボメイツでは、同じ尼崎市にある産業技術短期大学の二井見博文教授(機械工学科)と共同で、小学生向けアームロボット教材の開発をしています。川西明峰高校では、生徒たちにロボット教材を製作する組み立て体験をしてもらいました。

関連記事:産業技術短期大学と連携、ロボット教材開発やイベントを実施




高校生たちの感想


ロボットの構造を知ることに加え、マニュアルなしで、見本を見て観察力や想像力を発揮しながらパーツを組み合わせることも授業の狙いです。
作った高校生たちの感想を聞きました。

「面白かった。子どもたちとやったら盛り上がると思う。みんなと話すことができるので、年代が違う人と話が広がるし、知らない人とロボットをきっかけに関わりが持てる」
「ちゃんと構造を理解して作らないといけないと思った。見本を見ながら作るのはプラモデルのような感覚で、断片的な情報でどれだけできるかが勝負」
「めちゃくちゃ時間がかかった。小学生(が作ったタイム)にボロ負けしたが、最後まで作る根性はついた。最終的には、作り上げなければ!という心が芽生えた。ドライバーを使っての作業は楽しかった。ハンマーでたたくよりも良い」
「形を覚えて組み立て、半分あたりから完成が見えてきた。マニュアルのない方が、人によって方法が違うので面白い」






パナソニック コネクト様の出張授業が実現


同社のロボットの活躍ぶりや仕事内容を紹介

10月には、ロボットの開発・製造・販売などを手がける「パナソニック コネクト」様による出張授業が実現しました。3人の社員さんがお越しくださり、ティーチング・ペンダントというコントローラーなど仕事道具の実物を見せながら、同社のロボットが活躍した実績や業務内容を紹介。溶接ロボットが工場で稼働する動画の上映や、入社3年目の若手エンジニアさんによるロボット開発の仕事内容のお話もありました。

パナソニック コネクト株式会社






授業を受けての感想


「溶接技術がない人でも、ロボットを用いてすぐに溶接できることが印象に残った」
「パナソニックの中にさまざまな部門がある。ロボットを開発していると初めて知った」
「こんなに身近なところで自動車の部品が作られていることに驚いた。身の回りのものにも溶接が大きな役割を果たしている」
「ロボットを使った仕事をしている人の話を聞いて、ロボットの良いところを知ることができてよかった」

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まとめ


2022年5月からの授業で、アームロボットの学習や操作体験を経た川西明峰高校の生徒たちは、小学生向けのゲームシナリオを考案。ブロックをハンバーガーに見立てて組み立てるストーリーを作り、10月から合流した就職予定の生徒たちへ、「リレー型体験学習」方式でロボット操作から教える体験も行いました。また、ロボットメーカーのパナソニック コネクト様による出張授業も実現しました。

次の授業レポートは、「③ロボットシミュレーターや動画によるオンライン学習も」です。

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